昨日は本当に不思議な天気でした。
市街地の方に行けば土砂降りの雨だったのに、お店の方に向かうと全く雨が降っておらず、路面は乾いたまま。
同じ旭川市内でも天気が違うのは本当にどういうことなのでしょうか。
本日は修理の依頼で入庫した車両について載せたいと思います。
修理の依頼でお預かりしたのは `78 FLHになります。
ショベルのFLHをベースに、不要な部品を極限まで取り払い軽量化と走行性能の向上を目指した、チョッパースタイルの車両です。
こちらのエンジンのオーバーホールを行います。
その前に、走行中に異音がするとのことなので、その原因を探っていきます。
フロントシリンダーを開けると、「バルブスプリング」というパーツが出てきます。
このパーツはバルブを支えると同時にバルブが閉じられた際に燃焼室を密閉する役割を持っています。
ハーレーのエンジンはナックルヘッドからOHV(オーバーヘッドバルブ)エンジンを採用しています。
画像は大まかな全体図ですが、エンジン右側の下部にはカムがあり、リフターという超軽量な棒(プッシュロッド)でエンジン上部のロッカーアームを押してバルブを駆動するという仕組みです。
ロッカーアームの下にあるのがバルブスプリングです。
中を確認するとバルブスプリングが折れていました。
そしてこの折れたスプリングが異音の原因となっていたようです。
リアのシリンダーを開けるとこちらのスプリングも破損していました。
散らばっていた破片を全て回収しました。
このスプリングは絶えず駆動しているので、経年劣化などにより破損する事もございますので注意が必要です。
続いてエンジンを分解し、摩耗した部品を交換・清掃・調整し、本来の性能に戻すメンテナンス作業「オーバーホール」を行います。
まずは各部分解してクリアランスなどを測定していきます。
シリンダーの中に入っているのは「ボアシリンダーゲージ」と呼ばれるもので、シリンダーの内径を測って歪みがないか等調べています。
クリアランス(隙間)が必要な部分は「シックネスゲージ」と呼ばれる測定器を使って測っていきます(隙間ゲージとも言います)
測定していくと、いくつか修正が必要な箇所がでてきました。
まず、真鍮製のバルブガイドとバルブのクリアランスです。
本来バルブやシリンダーヘッドの熱膨張差による、バルブの突き上げを防ぐために隙間があえて作られているのですが、こちらが基準値よりも広くなっていました。
クリアランスが広くなると、吸排気効率が低下する恐れがあります。
十分な吸気や排気が行なわれなくなると、高回転域での性能・出力が低下する原因となります。
ピストンとシリンダーのクリアランスも広くなっていました。
ピストンの幅やシリンダーの内径は重要で、中でピストンが上下に動くのでピッタリ過ぎると部品同士が擦れて熱膨張したり磨耗してしまいますし、逆に緩すぎると圧力が逃げてしまいます。
さらに、規定のサイズから0.04インチサイズオーバーしているピストンが入っていました。
通常、シリンダーとピストンの径が合わない場合は「ボーリング」と言って、磨耗したシリンダー内壁を削り内径を大きくする作業を行うのですが、
これ以上ボーリングが出来ない状態となっている為、シリンダーとピストンを新品に交換します。
オーバーホール②へ続く…。
思ったよりブログが長くなっててびっくりしました。
上手く説明できていると良いのですが…。
それでは、スターモーターサイクル 桃でした!!!