1975年 SHOVEL オーバーホール②

連日雪が降り続いている影響で、朝起きたら車にかなり雪が積もってるんですけど、

早起きして雪下ろしするのをサボって車の上の雪を下ろさずに走行していたらブレーキかけた衝撃で積もっていた雪がフロントガラス側にざーっと降りてきて視界を塞がれてしまう事が何度もありまして、

その度に路肩に車止めて降りて雪落として、ってするくらいなら朝早く起きて雪下ろしてから出勤した方が良いと思います。(私へ)

 

本日は前回に引き続きエンジンのオーバーホールについて載せていきたいと思います!

前回のブログはこちら↓↓

1975年 SHOVEL オーバーホール①

 

フライホイールにピニオンシャフトの取り付けを行いました。

新品のパーツや一度外したパーツを取り付けると、クリアランス(パーツ同士の隙間の事)が変わる為、新たにフライホイールの振れを測定・修正をしていきます。

 

ズレにも種類がありますが、横ズレを例にするとこのようになります。

青い丸と赤い丸がフライホイール、黄色いのがクランクピンで、緑の丸が各シャフトになります。

この円が横にズレてしまっているところを、

 

 

このように完全に真っすぐになるようにするのが「芯出し」と呼ばれる作業になります。

 

シリンダー内の爆発による強い力を受けながら高速で回転するエンジン部品のため、

わずかな曲がりやブレによってエンジン性能に悪影響をおよぼす可能性があります。

芯出しとは、エンジン性能に影響が出ないようにクランクの軸の曲がりやブレを修正する作業の事です。

 

今回もダイヤルゲージを当てて、パーツを回転させながら振れを計測します。

 

 

リムの振れの規定範囲は0.15mm以内となってますが、0.04mm以下まで追い込む事ができました。

 

そこから更に叩いたり、ほじったり悪戦苦闘しつつ調整を進め、0.02mmまで抑える事が出来ました。

 

芯出しが完了したので、クランクケースに入れてピニオンシャフトの実際の振れを測定しました。

 

 

1目盛0.025mmで、結果約1目盛の振れになります。

規定値は0.05mm以内ですので規定内には抑えられました。

 

 

続いて、カムギアの調整を行いました。

 

高速で動くパーツは熱膨張することを加味してクリアランス(隙間)が必要な場合があります。

そういった部分は「シックネスゲージ」と呼ばれる測定器を使ってクリアランスを測っています。

 

そして、実際に動かしたときにオイルポンプからきちんとオイルが流れるか調整します。

動画を見ていただくと、各部からオイルが出ているのが分かります。

このオイルがタペットガイドやコンロッドに流れていき、パーツ同士の動きが滑らかになるよう潤滑油の役割を果たしてくれます。

 

その後試運転を終え、無事にお客様の元に納車する事が出来ました。(完成後の写真がありません)

かなり工賃とお日にちを有する作業ではありますが、オーバーホールすることで、故障の原因を究明する事が出来たと思います。

これからもお客様に安心して乗って頂けるよう努めて参ります!!

 

それでは、スターモーターサイクル 桃でした!!!